こんにちは!名古屋グランパス熱狂的サポーターのまつ1です
この記事は2019年12月15日に行われた、
高円宮杯ファイナルステージ「名古屋グランパスU18 VS 青森山田高校」の観戦記となります
試合観戦後に興奮冷めやらぬまま書きなぐった文章を少し校正したものです
完全に自己満足の趣味記事なのでご注意を
2019年高円宮杯ファイナルラウンド観戦記
監督ロス
2019年12月15日日曜日。
この日は私にとってターニングポイントとなる1日になる。
J1リーグは前週に最終節を迎え、我らが名古屋グランパスは鹿島アントラーズに破れるも、得失点差のお陰で辛くもJ1残留を勝ち取っていた。応援チームが残留を果たしたことは嬉しくはあるが、Jリーグ終盤は何かもの足りない。。と思いつつ試合を見ていた。
やはりその一つは監督交代による戦術の変更だろう。風間監督の後任であるフィッカデンティ監督の戦術は、今までとは完全に逆。
超攻撃的スタイルから超守備的スタイルへの変化である。一番戸惑ったのは選手達だろうが、その戦術はまさしく自陣に引きこもってのカウンター狙いであるため、相手に常にボールがある状態で、見ていて楽しくない。チームとしては今季に観客数52万人を達成したそうだが、この試合を続けて来年もその集客を維持できるかは疑問符がつく。
※当時の感想です
ユース?三冠?埼スタ?
つい愚痴っぽくなり話がそれてしまったが、12月15日はそんなモヤモヤした気持ちを抱えて迎えた日であった。
朝から移籍情報がないかとネットサーフィンしていると、ふとあることを思い出す。
そういえば、U18が三冠王手って話があったよな。。?あれどうなったんだろ?と思いグーグルさんに聞いてみた。
(ユースにおける三冠とは、日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会、Jユースカップ、高円宮杯の3つのタイトル戦で優勝することである。なお、高円宮杯は東西に別れたリーグ戦形式で行われており、東西のリーグの優勝チーム同士が真の高校年代最強の座をかけて対戦する)
すると、三冠がかかった青森山田高校との試合が今日、しかも埼玉スタジアム2〇〇2でやると教えてくれたのだった。今季はユースが強いという話は聞いていたし、なにより勝利に飢えていた私は現地観戦に行くことを即決した。
埼玉高速鉄道の洗礼
チケットはチケットピアで発行した。手数料を取られるのが少ししゃくだったが、当日券を発売するかの情報もホームページに記載がなかったため、渋々購入した。(この選択が後々吉とでた)午前の用事を済ませ埼スタに向かう。
家の最寄りから浦和美園までの行き方を調べると、片道1000円弱もする。そこまで東京の外れに住んでいる訳ではないが、このお値段。埼スタに行かれたことがある方ならばわかるだろうが、埼玉高速鉄道の仕業である。毎度思うがほんとこの料金なんとかならんものか。。
浦和美園の隣、西川口を出発する電車の中を見回すと、意外と人が乗っている。全員席には座れず、立ちの人も居る程度だ。自分の中では皆さん埼スタいくのね、とひっそり同士感を抱いていた。浦和美園に着くとキックオフ30分前であった。適当に昼飯を買い、スタジアムに向かう。歩きを覚悟していたが、この日は無料シャトルバスも出ていた。意外。シャトルバスはスタジアムの裏側の駐車場に到着し、入り口側まで歩いていくと、当日券販売ブースに長蛇の列ができている。時刻はキックオフ5分前。この人たちはキックオフには間に合わないな、と合掌して入り口へと向かう。チケットピアで買っといて良かった!と心から思ったのであった。
サポーター席とユースチャント
スタジアムに入りメインスタンドからピッチを眺めると、ゴール裏席は解放されていないことがわかった。
それでも絶対応援団は居るはずだと思い眺めていると、いた。バックスタンドのゴール裏側だ。メインスタンドからは反対側になるので急いで向かった。なんとかキックオフの少し前に席につく。ちょうど円陣を組み終わって選手がフィールドに散らばっていくところだ。グランパスのトップチームではランゲラックのチャントが歌われる場面。
U18のキーパーは東ジョン選手。年代別代表にも選ばれる優秀な選手だ。彼に向ってサポーターからの応援が響く。
ひ・が・し・ジョン!! ひ・が・し・ジョン!!!
トップチームのジョーのコール、「エ・ノッソ・ジョー!!」と同じだ。こういうコールもアカデミーに受け継がれるんだなと少し嬉しくなりニヤリとした。
キックオフ
そして程なくしてチャントも始まった。
―名古屋の勝利のため、今声を一つに。今こそ戦おう
懐かしい。まず思ったのはその感想だ。というのも今季は関東アウェイが(自分が行ける日程では)5月で終わっていたため、それ以来のスタジアム観戦になるからだ。飛び跳ねながら次々チャントを歌う。それに呼応するようにパスを繋いでいくU18の選手たち。その様子を見てまたこの感想を抱くのであった。
―懐かしい
それもそのはず。名古屋は2016年の降格を機に風間八宏監督を招聘。アカデミーダイレクターに山口素弘氏を迎え、古賀監督が現場に落とし込むというユースから攻守一体の攻撃的サッカーを信念に指導する体制となっているのだ。
意地でも中央突破を信念とするかのようなサッカーは個々の技術の高さなしには成立しないため、風間監督の下に来た者は止める、蹴るの徹底的な基礎練習の洗練を浴びる。
それはユースチームにおいても同様のようで、個々の選手のトラップ、パスの精度がかなり高い。そこを通すか!というパスがあると思えば、それおさめる!?というトラップが披露される。それらの技術を持って中央突破を図るグランパスと、強靭なフィジカルを持ってボールを跳ね返す青森山田の構図だ。
先制点と不思議な感覚
両者とも攻めきれない時間が続くが先制したのは青森山田だった。前半12分、ロングスローのボールがクリアしきれないままゴール前に転がり、良い位置に飛び込んできた青森山田の田中選手にヘディングで決められる。更に前半27分に中盤で形の悪いボールの失い方をした後の速攻で、青森山田の後藤選手に綺麗にゴールを決められた。あろうことか前半で2点のビハインドを背負ってしまった若鯱たち。
しかし、現地や放送で見ていた名古屋サポーターはこう思ったのではないだろうか。
―この選手たちなら絶対追いつける。
何か確信させるものがあった訳ではないが、J2時代のトップチームを見ている時と同じ感覚になっていた。1点取られたなら2点返して勝てばいい。2点なら3点だ。そしてウチのチームはそれを実現できるだけの攻撃力を持っている、と。その後に、決まれば3点差となるゴール前ドフリーのシュートを青森山田の選手がふかしてくれたのを見て、まだサッカーの神様はウチを見捨てていないと確信した。
すると前半41分、気持ちいように中央でパスをつなぎラストはゴール前で待つ村上千歩選手にボールが渡り、落ち着いて切り替えし放ったシュートをゴールマウスに沈めた。
「いよっしゃあああぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!イケる!!追いつけるぞ!!!!」
私含めたサポーターは大盛り上がりで皆ハイタッチを交わす。前半は結局1-2のスコアで折り返しとなったが、徐々にパスも繋がるようになってきており後半に向けて希望が持てる内容であった。
ハーフタイムの交流
ハーフタイムは一息ついて、周囲のサポーターと会話してみた。まず、後ろの席で結構独り言?を言っていたオジさんだ。そのオジさん曰わく、グランパスU18は過去2回高円宮杯決勝に進出しているが、いずれも準優勝となっており、決勝で得点を取るのは初らしい。(帰って調べてみたら初ではなかったけど笑)
「だから前進した!今日は歴史を更新した!」「今日は優勝して更に歴史を更新しましょう!」
などと話し盛り上がった。更にそのオジさんが結構筋金入りのユースサポーターで、ユース出身者の進学先を全部メモにとっており、見せてくれた。明日は○○大学の試合見に行くんだよ。と嬉しそうに語っていたのが印象的だった。ここまで応援してもらえる選手は幸せだろうな~と思う。是非大学で更にブレイクしてトップチームに帰ってきて欲しいものだ。
更にハーフタイムには嬉しいサプライズが。ユースの先輩、藤井陽也と松岡ジョナタンがサポーター席に駆けつけたのだ。(記憶が曖昧だが最終的に杉森孝起も来ていた気がする)そして両名の応援歌が歌われる。盛り上がるサポーター席。時を同じくして選手がピッチに戻ってきた。
さあ後半の始まりだ。
It’s time for NAGOYA
ー名古屋・名古屋、アレ・アレ、戦う時が来た。名古屋・名古屋、アレ・アレ、魅せてやろうぜ今
ウチのチャントはいちいち燃えるんだよなー、と思いつつテンションが上がる。後半は立ち上がりからグランパスのペースで試合が進む。惜しいミドルなどもあるが決めきれない展開が続いていた。
そして、後半14分。ついにその時が訪れる。相手のクリアミスをダイレクトで左に展開すると、一度は行く手を阻まれるがパス交換をしたのちキレイに抜け出すスルーパスが決まり、サイドを切り裂いた。そして冷静に中央にグランダーのクロスを送り、中央で競り勝った村上千歩選手が足に当てて、そのままゴールに吸い込まれる。
「うおおおおおおおおおおお!!!!やったあああああああああああ!!!!逆転できるぞおおおおおおおお!!!!!」
もうサポーター席はお祭り騒ぎだ。周りの席の人全員とハイタッチしたと思う。それほどに歓喜した瞬間だった。
息づく遺伝子
更に試合は続くが、見ていて笑みがこぼれてしまったシーンがあったので紹介する。
後半のあるワンシーン。センターサークル付近で相手のパスをカットして、いざカウンターだ!となったときに、5、6人の選手が一斉に前線に駆けだしたのだ。その異様な光景に、風間監督の「全員がFW」という考え方を思い出し、ニヤケてしまった。
みんなどんだけ攻めるのが好きなんだ、と。そして確実にユースまでその考えが浸透しているのだとわかり、更にニヤケてしまう。この選手たちがトップチームに来たら更に面白くなるだろうな、と未来に思いをはせる。
終焉
ただし、そんな幸せな時間は長続きはしなかった。
後半17分。青森山田のDFからロングボールが放り込まれ、ペナルティエリア内でクリアしきれなかった結果、松木選手に勝ち越しゴールを決められてしまった。その後も若鯱たちは懸命に攻撃し続けたが、結局ゴールを割ることは出来ず、そのまま敗戦となった。
惜しくも三冠を取ることは出来なかったが、それでも良い意味で自分たち本位の攻撃的サッカーで、二冠プラス準優勝まで辿り着いたのは立派なものだ。そして私含めたサポーターが皆思ったのではないだろうか。
ー良い試合だった。
表彰式を終えて肩をおとして挨拶にくる若鯱たちに、私たちは惜しみない拍手を送った。皆口を揃えて、良くやった!!面白かったぞ!!と賞賛した。
応援のチカラ
試合後の熱も冷めやらぬまま、コールリーダーさんに言われたことが印象に残っている。
「選手たちは皆さんの応援で確実に強くなります。普段はこんなに応援してもらえることもありません。今後も引き続きユースの子達のことも気にして応援していただけたら嬉しいです」
こんなこと言われたら応援しないわけにはいかない。
そして、古賀監督が試合後のインタビューでこんなことを言っていた。
「どんなにいい成績を残しても、後輩たちはきっとそれを追い抜こうとして必死になってもがいて、登り詰めようとします。そういう意味で本当に大きな財産を残してくれたと思います。」
さあ、来季こそまだ見ぬ三冠を目指そう。
行きつく先は
2019年12月15日日曜日。
結局、この日見た試合は負け試合である。
勝者がいれば敗者もいる。それに一喜一憂するのが私たちサポーターだ。
今シーズンは、その「一憂」の割合が多すぎて忘れていたが、息づく遺伝子・クラブの明るい未来を目の当たりにし、埼スタからの帰路でふと思った。
あぁ、サッカーっておもしろい!
監督インタビュー: https://inside.nagoya-grampus.jp/inside/detail/?sid=1189&cid=99
選手インタビュー: https://inside.nagoya-grampus.jp/inside/detail/?sid=1190&cid=99
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